用語集
サイケデリック医療の記事を読むときに出てくる言葉を、五十音順にまとめています。80語を収録。
あ行
- アヤワスカAyahuasca
- アマゾン流域の先住民が儀式で用いてきた煎じ薬。DMTを含む葉(チャクルーナなど)と、MAO阻害作用をもつつる植物(バニステリオプシス・カーピ)を一緒に煮出す。ブラジルでは宗教的な使用が認められている。 物質事典で読む
- アルバート・ホフマンAlbert Hofmann(1906–2008)
- スイスの化学者。製薬会社サンド社で1938年にLSDを合成し、1943年に偶然その作用を体験した。のちにシロシベ属のきのこからシロシビンとシロシンを単離・同定した。
- 意識の変容状態Altered states of consciousness
- ふだんの覚醒した意識とは異なる意識の状態の総称。サイケデリックのほか、瞑想、呼吸法、断食、リズムのある音楽などでも起きる。
- イボガインIbogaine
- 中部アフリカの低木イボガの根に含まれる物質。ガボンなどのブウィティの儀式で用いられてきた。オピオイド依存の離脱症状を和らげる可能性が研究されているが、心臓への負担(不整脈)のリスクが大きい。 物質事典で読む
- 医療モデルと非医療モデルMedical / non-medical models
- サイケデリックを社会に導入する2つの方向性。医療モデルは医師が診断のある患者に治療として提供し、非医療モデルは診断を問わず、資格をもつファシリテーターがウェルネスの一環として提供する。オーストラリアは前者、米国オレゴン州は後者の代表例。
- インテグレーション(統合)Integration
- 体験で得た気づきや感情を整理し、日常の考え方や行動の変化へとつなげていくプロセス。体験そのものと同じくらい重要とされ、体験後のセッションで時間をかけて行う。 くわしく
- インテンション(意図)Intention
- 体験に臨むにあたって、何に向き合いたいのか、何を知りたいのかを言葉にしたもの。体験を方向づける羅針盤の役割を果たすが、体験をコントロールするための目標とは異なる。
- インペリアル・カレッジ・ロンドンImperial College London
- 英国の大学で、ヨーロッパのサイケデリック研究の拠点。デイビッド・ナットやロビン・カーハート=ハリスらが脳画像研究を進め、シロシビンと抗うつ薬エスシタロプラムを比べた臨床試験(2021年)でも知られる。
- エゴデス(自我の解体)Ego dissolution / Ego death
- 「自分」という感覚の境界が薄れ、ときに消えてしまうように感じられる体験。強い恐怖を伴うこともあるが、そのあとに自己の捉え直しや深い安らぎが訪れたと語られることも多い。
- エスケタミンEsketamine
- ケタミンを構成する2つの鏡像体のうちの片方(S体)。点鼻薬「スプラバート(Spravato)」として、2019年に米国FDAが治療抵抗性うつ病の治療薬として承認した。 物質事典で読む
- エンパソジェンEmpathogen / Entactogen
- 「共感を生み出すもの」という意味の分類。代表はMDMA。幻覚よりも、恐怖の低下や感情の開放、他者とのつながりの感覚が体験の中心になる。 物質事典で読む
- オルダス・ハクスリーAldous Huxley(1894–1963)
- 英国の作家。1953年にオズモンドの立ち会いのもとメスカリンを体験し、翌年その記録を『知覚の扉』として発表した。サイケデリックが文学や思想の世界に広く知られるきっかけをつくった。
- オレゴン州シロシビン・サービスOregon Psilocybin Services
- 2020年の住民投票(メジャー109)で成立し、2023年に始まった米国オレゴン州の制度。21歳以上であれば診断の有無を問わず、州の認可を受けたサービスセンターで、資格をもつファシリテーターのもとシロシビンを体験できる。
か行
- 解離Dissociation
- 意識や感覚、記憶などのつながりが一時的に切り離される状態。ケタミンの作用で起きる、身体から意識が離れていくような感覚が代表例。トラウマに対する心の防御反応としての解離とは区別して語られることもある。
- 解離性サイケデリックDissociative psychedelics
- NMDA受容体を遮断して作用するサイケデリックの分類。代表は麻酔薬のケタミン。意識と身体の感覚が切り離されるような「解離」の体験が特徴。 物質事典で読む
- 寛解Remission
- 症状がほぼなくなり、診断の基準を満たさない程度まで改善した状態。症状が一定割合(多くは50%以上)減った「反応」と区別して使われる。
- クラシック・サイケデリックClassic psychedelics
- セロトニン2A受容体を活性化することで作用するサイケデリックの総称。シロシビン、LSD、DMT、メスカリンが含まれる。知覚の増幅や、自己と世界の境界がゆらぐ体験が特徴。 くわしく
- ケタミンKetamine
- もともとは麻酔薬。NMDA受容体を遮断する解離性サイケデリックで、低い用量ではすみやかな抗うつ効果が報告されている。日本では麻薬に指定されているが、医療用途での使用は認められている。 物質事典で読む
- 困難な体験(バッドトリップ)Challenging experience / Bad trip
- 強い不安や恐怖、混乱、悲しみなどを伴う体験。俗に「バッドトリップ」と呼ばれる。臨床の場では、適切な支えがあれば治療的な意味をもちうるものとして扱われ、「困難な体験」と呼ぶことが多い。 くわしく
さ行
- サイケデリック(語源)Psychedelic
- ギリシャ語の「psyche(心・魂)」と「delos(顕わにする)」を組み合わせた言葉で、「心を顕わにするもの」を意味する。1956年に精神科医ハンフリー・オズモンドが作家オルダス・ハクスリーとの手紙のやりとりの中で提案した。
- サイケデリック療法Psychedelic-assisted therapy
- サイケデリック物質の体験と心理的な支援を組み合わせた治療法。薬を飲むだけではなく、準備・投与・統合の3つの段階を通して進める。サイケデリック支援療法とも呼ばれる。 くわしく
- サイケデリック・ルネサンスPsychedelic renaissance
- 1970年代以降ほぼ止まっていたサイケデリックの科学研究が、2000年代以降に再び活発になった流れを指す言葉。ジョンズ・ホプキンス大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究が、その中心を担ってきた。
- 準備セッションPreparation session
- 投与の前に行う対話の時間。ファシリテーターとの信頼関係を築き、体験で向き合いたいこと(インテンション)を定め、困難な体験が起きたときの向き合い方などを共有する。
- ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins University
- 米国の大学で、現代のサイケデリック研究の中心拠点のひとつ。2000年代にシロシビン研究を再開し、2019年にはサイケデリックと意識の研究センターを設立した。
- シロシビンPsilocybin
- シロシベ属のきのこ(いわゆるマジックマッシュルーム)に含まれる成分。体内でシロシンに変わり、脳のセロトニン2A受容体に働く。うつ病などを対象に、最も研究が進んでいるクラシック・サイケデリック。 物質事典で読む
- シロシンPsilocin
- シロシビンが体内でリン酸基を外されてできる物質。実際に脳へ届いて作用するのはシロシンで、シロシビンはその前駆体(プロドラッグ)にあたる。 物質事典で読む
- 神経可塑性Neuroplasticity
- 経験に応じて脳の神経回路が形や働きを変える性質。サイケデリックやケタミンは、動物実験などで神経細胞の突起やシナプスを増やす方向に働くことが示され、効果が長く続く理由の候補とされている。
- 神秘体験Mystical experience
- 自分と世界がひとつになる感覚、時間や空間を超えた感覚、言葉にできない深い意味の感覚などを伴う体験。シロシビンの研究では、神秘体験が深いほど治療効果が大きい傾向が報告されている。
- スクリーニングScreening
- 体験に向かない条件がないかを事前に確認すること。統合失調症や双極性障害I型の本人歴・家族歴、心臓病、服用中の薬(リチウムなど)などを確認し、該当する場合は参加を見送る。
- スケジュールISchedule I
- 米国の規制物質法(1970年)で最も厳しい区分。「医療用途がなく乱用の危険が高い」とされ、LSD、シロシビン、MDMA、DMTなどが含まれる。この指定が、長く研究を難しくする要因になった。
- スタニスラフ・グロフStanislav Grof(1931–)
- チェコ出身の精神科医。プラハと米国で数千回に及ぶLSDセッションに関わり、サイケデリック体験の地図づくりと理論化に取り組んだ。トランスパーソナル心理学の創始者のひとりで、ホロトロピック・ブレスワークの開発者。
- ストーンド・エイプ仮説Stoned ape hypothesis
- テレンス・マッケナが唱えた仮説。初期の人類がきのこを食べたことが、言語や意識の急速な発達を促したとする。興味深い発想として語られる一方、科学的な証拠はほとんどない。
- 聖金曜日の実験Good Friday Experiment
- 1962年、ウォルター・パンケが米国ボストン大学のマーシュ・チャペルで行った実験。神学生にシロシビンかプラセボを投与して礼拝に参加させたところ、シロシビン群の多くが深い宗教的体験を報告した。
- 精神展開剤
- サイケデリックの日本語訳のひとつ。「精神を展開させるもの」という意味で、サイケデリックの語源(心を顕わにするもの)に近い。日本では「幻覚剤」と訳されることが多かった。
- セットとセッティングSet and setting
- サイケデリック体験の質を左右する2つの要素。「セット」は本人の心の状態や期待、「セッティング」は場所・同席者・音楽などの環境を指す。治療では、この両方を整えることが安全の基本とされる。 くわしく
- セロトニンSerotonin / 5-HT
- 気分、睡眠、食欲、知覚などに関わる神経伝達物質。多くの抗うつ薬(SSRI)やサイケデリックは、それぞれ異なるやり方でセロトニンの働きに関わる。
- セロトニン2A受容体5-HT2A receptor
- セロトニンを受け取る受容体の一種で、大脳皮質に多く分布する。クラシック・サイケデリックはこの受容体に結合して活性化させ、知覚や思考の大きな変化を引き起こす。 くわしく
た行
- 第3相試験Phase 3 trial
- 新薬が承認される前に行われる、最後の大規模な比較試験。第1相で安全性、第2相で効果と用量を確かめたあと、数百人規模で効果と安全性を検証する。
- 耐性Tolerance
- 同じ物質をくり返し使うと効き目が弱まる現象。クラシック・サイケデリックは数日の連続使用で急速に耐性がつき、互いの間にも耐性が生じる(交差耐性)。毎日使い続けることが成り立ちにくい理由のひとつ。
- 治療抵抗性うつ病Treatment-resistant depression / TRD
- 一般に、2種類以上の抗うつ薬を十分な量と期間使っても改善しないうつ病を指す。うつ病の人のおよそ3割が該当するとされ、シロシビンやエスケタミンの研究の主な対象になっている。
- ティモシー・リアリーTimothy Leary(1920–1996)
- 米国の心理学者。ハーバード大学でシロシビンの研究を始めたが、1963年に大学を去り、「ターン・オン、チューン・イン、ドロップ・アウト」の言葉とともにカウンターカルチャーの象徴となった。その活動は、のちの規制強化の空気をつくる一因にもなった。
- デフォルトモードネットワークDefault mode network / DMN
- 何もしていないときや、自分について考えているときに活発になる脳領域のネットワーク。サイケデリックの作用下では一時的にまとまりが弱まることが、脳画像研究で示されている。 くわしく
- テレンス・マッケナTerence McKenna(1946–2000)
- 米国の作家・講演家。サイケデリック体験を詩的で哲学的な言葉で語り、多くの人に影響を与えた。人類の意識の進化にきのこが関わったとする「ストーンド・エイプ仮説」を唱えたが、科学的な裏づけは乏しい。
- 投与セッションDosing session
- 実際に物質を服用し、体験を過ごすセッション。シロシビンの臨床試験では6〜8時間ほどの枠で行われ、参加者は横になってアイマスクをつけ、音楽を聴きながら、ファシリテーターの見守りのもとで過ごす。
- トランスパーソナル心理学Transpersonal psychology
- 個人の枠を超えた(トランス・パーソナル)意識の体験を扱う心理学の流れ。1960年代末にスタニスラフ・グロフやアブラハム・マズローらによって形づくられた。神秘体験や自己の超越を理解する枠組みとして、サイケデリック療法でも参照される。
- トリプタミン類Tryptamines
- セロトニンと似た骨格をもつ化合物のグループ。シロシビン、シロシン、DMT、5-MeO-DMTがここに含まれる。LSDもトリプタミン骨格を内側に含む。
は行
- ハンフリー・オズモンドHumphry Osmond(1917–2004)
- 英国出身の精神科医。カナダでLSDによるアルコール依存症の治療研究を行った。1956年に「サイケデリック」という言葉を提案したことで知られる。
- 非犯罪化Decriminalization
- 個人での所持や使用を刑事罰の対象から外すこと。販売や提供を認める「合法化」とは異なる。米国では2019年のデンバーを皮切りに、いくつかの市や州がシロシビンなどの非犯罪化を進めている。
- ファシリテーターFacilitator
- 準備・投与・統合の各段階で参加者に寄り添い、体験を支える人。体験を導いたり解釈を押しつけたりするのではなく、安全を守りながら本人の内側から起きることを信頼して見守る役割を担う。米国オレゴン州などでは公的な資格制度がある。
- フェネチルアミン類Phenethylamines
- ドーパミンやノルアドレナリンと似た骨格をもつ化合物のグループ。サイケデリックではメスカリンが代表で、MDMAもこの骨格をもつ。
- プラセボPlacebo
- 有効成分を含まない偽の薬。本物の薬の効果を、期待や思い込みによる改善と区別するために比較対象として使う。
- ブレイクスルー・セラピー指定Breakthrough Therapy designation
- 重い病気に対して、既存の治療を大きく上回る可能性を示した開発中の治療に、米国FDAが与える指定。審査や開発の支援が手厚くなる。MDMA支援療法(2017年)やシロシビン(2018年、2019年)が指定を受けた。
- ペヨーテPeyote / Lophophora williamsii
- メキシコ北部から米国南西部に自生する小さなサボテン。メスカリンを含み、先住民が数千年にわたり儀式に用いてきた。米国ではネイティブ・アメリカン・チャーチでの宗教的使用が法律で保護されている。成長が遅く、乱獲が懸念されている。 物質事典で読む
- ホロトロピック・ブレスワークHolotropic Breathwork
- スタニスラフ・グロフとクリスティーナ・グロフが開発した呼吸法。速く深い呼吸と音楽によって、物質を使わずに意識の変容状態に入ることを目指す。
ま行
- マイクロドージングMicrodosing
- 知覚の変化が起きないほどのごく少量(通常量の10分の1〜20分の1程度)を、数日おきに続ける使い方。気分や集中力の改善が語られる一方、プラセボを用いた比較試験ではプラセボとの差がはっきりしない結果も多い。
- 麻薬及び向精神薬取締法
- 日本で麻薬や向精神薬を規制する法律。シロシビン、LSD、MDMA、DMT、メスカリンは麻薬に指定され、所持・使用・譲渡が禁じられている。ケタミンも麻薬に指定されているが、医療用途での使用は認められている。
- マリア・サビーナMaría Sabina(1894–1985)
- メキシコ・オアハカ州のマサテコ族の治療者(クランデーラ)。きのこを用いた夜通しの儀式「ベラーダ」を行った。1955年にゴードン・ワッソンが儀式に参加し、その記事をきっかけに世界中から人が押し寄せ、彼女の共同体は大きな影響を受けた。
- メスカリンMescaline
- ペヨーテやサンペドロなどのサボテンに含まれるクラシック・サイケデリック。化学的にはフェネチルアミン類に属する。作用は10時間以上続くことがある。オルダス・ハクスリーの『知覚の扉』で知られる。 物質事典で読む
- 盲検化Blinding
- 参加者や研究者が、誰が本物の薬を受け取ったのか分からないようにする工夫。サイケデリックは体験がはっきりしているため本物かどうかを見抜かれやすく(機能的な盲検の破綻)、効果を正しく測るうえでの大きな課題になっている。
ら行
- ランダム化比較試験Randomized controlled trial / RCT
- 参加者をくじ引きのように無作為に分け、一方に治療を、もう一方に比較対象(プラセボなど)を与えて効果を比べる試験。治療の効果を確かめる最も信頼性の高い方法とされる。
- リック・ドブリンRick Doblin(1953–)
- 1986年に非営利団体MAPSを設立した。MDMA支援療法の臨床試験を長年主導し、サイケデリックを医療として社会に戻すための研究と政策の両面に取り組んできた。
- リトリートRetreat
- 数日から1週間ほど、日常から離れた場所で、準備・体験・統合をまとめて行うプログラム。南米のアヤワスカ・リトリートが知られる。提供者の質や安全管理には大きな差がある。
- ローランド・グリフィスRoland Griffiths(1946–2023)
- ジョンズ・ホプキンス大学の精神薬理学者。2006年に、シロシビンが健康な人に深い神秘体験をもたらし、その意味が長く持続することを示した研究を発表し、サイケデリック・ルネサンスの口火を切った。がん患者の不安やうつへの研究でも知られる。
- ロビン・カーハート=ハリスRobin Carhart-Harris
- 英国の神経科学者。インペリアル・カレッジ・ロンドンでシロシビンやLSDの脳画像研究を率い、デフォルトモードネットワークの変化やREBUS仮説を示した。2021年から米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で研究を続けている。
英数字
- 5-MeO-DMT5-Methoxy-N,N-dimethyltryptamine
- ソノラ砂漠ヒキガエル(ブフォ)の分泌液や一部の植物に含まれる物質。作用は短いが非常に強く、視覚的な幻覚よりも自己の感覚が消えるような体験が特徴とされる。 物質事典で読む
- BDNFBrain-derived neurotrophic factor
- 脳由来神経栄養因子。神経細胞の成長や、新しいつながりの形成を支えるたんぱく質。ケタミンやサイケデリックがこのBDNFの働きを高めることが、神経可塑性の仕組みのひとつとして研究されている。
- DMTN,N-Dimethyltryptamine
- N,N-ジメチルトリプタミン。多くの植物に含まれ、アヤワスカの主な有効成分でもあるクラシック・サイケデリック。吸入すると数分で強烈な体験が始まり、15〜30分ほどで終わる。 物質事典で読む
- FDA(米国食品医薬品局)U.S. Food and Drug Administration
- 米国で医薬品の承認を担う政府機関。サイケデリック医薬品の承認の行方を左右し、ブレイクスルー・セラピー指定などを通じて開発に関わっている。2024年にはMDMA支援療法の承認を見送った。
- KホールK-hole
- ケタミンの比較的高い用量で起きる、深い解離状態の俗称。身体の感覚や周囲とのつながりが薄れ、まったく別の空間にいるように感じられることがある。
- LSDLysergic acid diethylamide
- リゼルグ酸ジエチルアミド。1938年にアルバート・ホフマンが合成し、1943年に偶然その作用を体験した。マイクログラム単位のごく少量で効き、作用は8〜12時間ほど続く。クラシック・サイケデリックの代表。 物質事典で読む
- MADRSMontgomery–Åsberg Depression Rating Scale
- モンゴメリー・アスバーグうつ病評価尺度。医師が面談を通じて、気分の落ち込みや睡眠、意欲など10項目を採点する。0〜60点で、点数が高いほど重い。サイケデリックの臨床試験で効果の指標としてよく使われる。
- MAO阻害薬MAO inhibitor
- モノアミン酸化酵素(MAO)の働きを妨げる物質。DMTは飲んでもこの酵素ですぐ分解されるが、アヤワスカではつる植物に含まれるハルミンなどがMAOを阻害するため、飲んでも作用が現れる。ほかの薬との飲み合わせに注意が必要。
- MAPSMultidisciplinary Association for Psychedelic Studies
- 1986年にリック・ドブリンが設立した米国の非営利団体。MDMA支援療法の臨床試験を主導し、その開発部門はのちに企業(Lykos Therapeutics)として独立した。
- MDMA3,4-Methylenedioxymethamphetamine
- エンパソジェンの代表。神経細胞のセロトニン輸送体に作用してセロトニンを大量に放出させ、恐怖を和らげ、共感やつながりの感覚を高める。PTSDを対象としたMDMA支援療法の研究が進む。 物質事典で読む
- MKウルトラProject MKUltra
- 1950年代から1970年代初めにかけて米国中央情報局(CIA)が行った極秘研究計画。LSDなどを、本人の同意なしに投与する非倫理的な実験も行われた。サイケデリックへの不信を深めた歴史として記憶されている。
- NMDA受容体NMDA receptor
- グルタミン酸を受け取る受容体の一種で、学習や記憶に関わる。ケタミンはこの受容体を遮断することで作用し、その後に起きる神経回路の変化が抗うつ効果に関わると考えられている。
- OHA(オレゴン州保健局)Oregon Health Authority
- オレゴン州シロシビン・サービスを所管する州の機関。サービスセンターやファシリテーターの免許、研修プログラムの認定などを担う。
- R・ゴードン・ワッソンR. Gordon Wasson(1898–1986)
- 米国の銀行家で、きのこと人類の関わりを研究した民族菌類学者。1955年にマリア・サビーナの儀式に参加し、1957年に米誌『ライフ』で発表した記事によって、マジックマッシュルームを西洋社会に広く知らしめた。
- REBUSRelaxed Beliefs Under Psychedelics
- 「サイケデリック下での信念の弛緩」を意味する仮説。ロビン・カーハート=ハリスらが提唱した。脳が持つ強い思い込みや予測の重みがサイケデリックで一時的に緩み、凝り固まった考え方が見直されやすくなるとする。
- SSRISelective serotonin reuptake inhibitor
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬。現在のうつ病治療で広く使われる抗うつ薬で、毎日服用し、効果が出るまで数週間かかる。サイケデリックの作用を弱める可能性があるため、臨床試験では事前の減薬が求められることが多い。